【書籍紹介】発達の気がかりな子どもの上手なほめ方しかり方
今回紹介するのは、”発達の気がかりな子どもの上手なほめ方しかり方~応用行動分析学で学ぶ子育てのコツ~”という本です。
サブタイトルの、「応用行動分析学」について知るためにもオススメの一冊です。
応用行動分析とは、子どもと環境との間で相互に起こる作用を
A:先行刺激(Antecedent Stimulus)
B:行動(Behavior)
C:結果(Consequence)
に分析して、考えていくものです。
子どもが見せる行動と、その前後を分析することで、その行動の目的を明らかにしていきます。
子どもが見せる行動に対して、こういった分析を行い、必要に応じて前後の環境や対応を操作することで、より適切な行動に変えていくことにつなげていきます。
例えば、
A:母親が「静かにしなさい」と言う。
B:子ども騒ぐ。
C:母親が「ダメって言ってるでしょ」と怒る。
といった様子が見られているとします。
このような時に、B:子どもが騒ぐ様子に、C:注意するを繰り返すと、その反応を「かまってもらえた」と思って、Bの行動が強化されてしまうことがあります。
そこで、次のように考えます。
例えば、B:子どもが騒ぐ行動の前に、少しでも静かにしている時間があったとします。
そのわずかな時間の間に、C:「静かにできたね」と肯定的に声を掛けることで、少しずつ「静かにすることでほめてもらえる」とわかり、静かにするという行動が強化されていく可能性があります。
また、「騒ぐことでかまってもらえる」という行動が見られる場合、「かまってもらいたい」という気持ちがある可能性があります。
こういった「騒ぐ」場面とは別の場面で、しっかりと子どもと向き合う時間を確保することで、「騒がなくてもかまってもらえる」ということを学習していく可能性もあります。
このように、その行動と前後の関係を分析して考えていくことが、「応用行動分析学」です。
この本の良いところは、Q&A形式になっているため、
「応用行動分析って何?」と思っている人にとっても、具体例を通して「応用行動分析学」についての理解を進めていけるところです。
私自身、この本を始めて読んだときには応用行動分析学についての知識はなく、「ABCってなに??」という感じでした。
でも、Q&Aの回答部分を読みながら、「こういう対応が強化なのか」「消去なのか」…ということがわかっていきました。
なんとなく応用行動分析学について学んだことがある人にとっては、具体例を通してより理解が深まっていくので、とてもわかりやすいと思います。
子どもの行動に対する対応を学ぶとともに、「応用行動分析学」について理解を深めるのにオススメの一冊です😊