【書籍紹介】発達とは矛盾をのりこえること
今回紹介するのは、全障研の白石正久先生の、”発達とは矛盾をのりこえること”という本です。
発達について考えるとき、発達の指標等を見て、
「〇歳になったら△△ができる」
「〇〇ができるようになったから、次は□□ができる」
そんな風に考えることはよくあるのではないかと思います。
この著書の白石先生は、発達要求と発達の矛盾という言葉を使って、次のように説明しています。
「発達」は、子ども自身の発達の願いから始まる、この願いを発達要求と言います。
発達要求とは、子どもの〇〇したいという要求ではなく、「●●できるようになりたい」「もっと大きくなりたい」といった、自らを高めようとする願いです。
そして、発達要求のあるところには必ず「そうならない自分」があります。
この発達要求と現実の自分のへだたりのことを、発達の矛盾と定義しています。
白石先生の言う「発達」とは、その矛盾をのりこえていくことです。
そしてその矛盾をのりこえると、また新たな矛盾がうまれ、また乗り越えていく、その繰り返しです。
この本を読むと、私たち大人が、「子どもを見る目を育てること」が大切なのだと感じます。
子どもの願いはどこにあるのか、そして矛盾をのりこえるためには何が必要なのか、それは発達の指標と照らし合わせるだけでは見えてこないものだと思います。
大人にできることは、「〇〇できるようになりたい」という発達要求がうまれるように関わること、そして矛盾をのりこえることを、時には手伝いながらも、見守り、信じていくことではないのかと思います。
この本の中では、その矛盾と乗り越えていく姿について、事例等も含めて具体的に述べられています。
ぜひ読んでみてください😊