【書籍紹介】目の見えない白鳥さんとアートを見にいく
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今回紹介するのは、川内有緒さんが書かれた”目の見えない白鳥さんとアートを見にいく”という本です。
著書の川内有緒さんが、”目の見えない白鳥さん”と一緒に美術館にアートを見にいった時の様子・感じたことをまとめられた、ノンフィクション本です。
目の見えない白鳥さんは、”全盲の美術鑑賞者”。
「目の見えないひとが美術作品を見るってどういうことだろう?」という素朴な疑問。
絵を前にして、「じゃあ、なにが見えるのか教えてください。」と白鳥さんが問いかける。
著書やその友人は、作品について感じたことを自由に話す。
「わたしはこう思う」
「え、でもこれは〇〇じゃない?」
「わたしはこの絵は△△を表現していると思うけど…」
「こんな風にも見えない?」
今まで自分の中で解釈していた作品が、言語化して他の人の解釈を聞く中で、自分の解釈が変わっていく。
作品を伝える立場の人達の、その会話を楽しんで絵を鑑賞する白鳥さん。
そんな白鳥さんとの美術鑑賞を楽しむ中で、”目が見えない人”という固定観念があったことに気が付く著者。
白鳥さんにとっては”目が見えないことが普通”であるのに、周囲は目が見えない人に対して勝手なイメージをもつ。
見えない人に限らず、”障がい”と聞くと
「こんな症状があるはず」
「〇〇でかわいそう」
「できないことが多くて大変なんだから頑張らなきゃ」
「こういう障がいの人はこんなことが得意」
と周囲の人が勝手にイメージをもち、相手がどうかということを忘れがちになってしまいます。
そんな考えに、さりげなく問題提起をしている一冊。
著者自身の気付きに、いろいろなメッセージがあるような気がします。
そして純粋に「美術館に行きたいな」、と思わせてくれる一冊です☺