似ている形を見分ける教材

今日は、”似ている形を見分ける教材”について解説していきます。

”似ている形を見分ける”…どんな教材?

↑上の写真は、”似ている形の分類”という教材です。
似ている形とは、左右の分類の見本として示している、少し形の違う三角のことです。
見本と同じ2種類のカードを複数用意し、同じ方に入れていきます。

カードが複数あることで、本当に見分けることができているのか確認することができます。

この写真は三角ですが、丸や四角、多角形などでも同様に取り組める教材です。

続いて紹介するのは、”似ている形のマッチング”という教材です。↓

上に貼ってある見本を見ながら、似たような形の三角をマッチングさせていく課題です。

複数の三角形があることで、その子にとっての”見分けにくい形”がわかりやすくなります。

全てを似ている形にする必要はなく、2~3枚似ている形を用意することで、課題の中で自信をもって答えられる部分と考える部分をつくることもできます。

こちらの教材も、丸や四角、多角形などで同様に取り組めます。

今回2種類の教材を紹介しましたが、これらの課題が難なくできる子は、似ている形をしっかり見分けることができているということなので、繰り返し同様の課題に取り組む必要はないと思います。

また、この課題を提供した時にすべて間違えてしまう子にとっては、難しすぎる課題ということになります。

何枚か間違えることがある、ゆっくり時間をかけて見比べている、そんな子に適している課題です。

似ている形を見分けるためには?

先ほど紹介した”似ている形を見分ける”課題では、細部視知覚という、細かいところを見分ける力が必要になります。

上の左図のような丸と三角は、パッと見ただけで違いがわかるのではないかと思います。

しかし、右図の三角は微妙な角度の違いになるので、パッと見ただけでは同じような形としてとらえてしまう場合もあります。

こういった細部の微妙な違いを見分けることができる力が、細部視知覚です。

(パッと見てわかる必要はありませんが、細部の違いに注目し、形の違いに気付く力があるかどうかです)

例えば、ひらがなの”わ”と”ね”を間違えやすい子は、こういった細部視知覚の力が弱い可能性もあります。

ひらがなを繰り返し見たり書いたりするだけでなく、形やイラストに変えて、細部視知覚の力を高めていくと良いこともあります

まとめ

今回は、”似ている形を見分ける教材”について解説する中で、細部視知覚ということを考えていきました。

細部視知覚は、細かい部分を正確に把握する力です。

細かい違いがわかり、同じ・違うがわかるようになることは、文字の習得や数の理解にもつながっていきます。

会話ができるのに文字がなかなか覚えられない…そんな時は、細部の違いを十分に見分ける力が育っていないこともあります。

「どのくらい細かな違いに気付く力があるかな?」と思ったときには、そのひとつとして”似ている形を見分ける教材”を試してみてください😊

細部視知覚を育てる教材は他にもあるので、今後また紹介していきたいと思います。

参考書籍

〇宇佐川浩(2007)感覚と運動の高次化からみた子ども理解 学苑社

〇宇佐川浩(2007)感覚と運動の高次化による発達臨床の実際 学苑社

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