【書籍紹介】死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由

今回紹介するのは、西川幹之佑さんの”麹町中学校で工藤勇一先生から学んだこと 死にたかった発達障がい児の僕が自己変革できた理由”という本です。

麹町中学校の工藤勇一先生を聞いたことある人は多いのではないかと思います。
”学校の「当たり前」をやめた。”を書かれた有名な先生です。

今回の著書は、工藤先生が校長先生として麹町中学校で働いていたときの生徒、西川幹之佑さんが書いた本です。

工藤先生について書かれた本なのかな?と思いながら読み始めましたが、
「発達障がいの人がどんなことを考えているのか」という、当事者理解につながる内容でした。

東大入学が当たり前のエリート家庭に生まれた西川さん。
幼稚園に入園したものの、叫んで暴れて手が付けられず2時間で中退。
小学校は特別支援学級に2年間、支援学級と合わずに通常学級に行くものの発達障がいの特性が目立つようになり、うまくいかないことばかり。
小学校3年生頃から死ぬことばかり考えていたそうです。

そんな発達障がい当事者の西川さんが、この本で以下の内容についてまとめています。

1.発達障がい児にとっての学校生活はこんな感じ

2.僕を成長させてくれた工藤先生の教え

3.発達障がい児は勉強ができないという「当たり前」を疑うー学習障がいの僕が中3で英検準2級に合格するまでー

4.発達障がい児のQOLを上げるライフハックー僕が怒る自分を認められるようになったわけー

5.死のうと思っている発達障がい児に伝えたい「未来」を手にするための心構え

例えば、「1.発達障がい児にとっての学校生活はこんな感じ」では、こんなことが書かれています。

・教室を飛び出していく理由

・一方的に話し続ける理由

・発表や質問、作文が支離滅裂になる理由

・1番じゃないと嫌な理由

学校では”困った行動”として見られがちな上記の行動。

そういった場面で、西川さんは何を考えていて、だからこういう行動になっていた、ということがとても丁寧に説明されています。

「そうだったのか。」と思う反面、そういったことが周囲に理解してもらえない毎日を送っていたことを考えると、つらい気持ちにもなります。

「死にたい」と思っていた西川さんが、工藤先生の教えを受けて考え方がどう変わっていったか、単純な成長物語ではないですが、西川さんの葛藤と努力、いろんな気持ちが伝わってきます。

発達障がい当事者だからこそ伝えられる実体験とメッセージ
この本に書かれていることは西川さんの感じ方ではあるけれども、
当事者の声として、多くの人に読んでほしいと思う一冊です。

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