【書籍紹介】ケーキの切れない非行少年たちのカルテ

今回紹介するのは、【ドキュメント小説】ケーキの切れない非行少年たちのカルテという本です。

一時話題になった、”ケーキの切れない非行少年たち”という本の内容を、ドキュメント小説風にまとめたものです。

犯罪を犯す少年たちの一部には、そもそも認知面に課題があり、善悪の判断や後先の判断が難しい人もいる

この本の舞台はとある少年院

主人公の精神科医の目から見る、少年たち4人のエピソードです。

・少年院出院後に殺人を犯した元少年のケース
・少年院で若年出産した非行女子の実情
・隣家の人を焼死させてしまった放火事件
・幼女に対する教説わいせつ事件

どれもテレビの報道だけ見れば、犯人に対して怒りの感情しかわいてこないかもしれない

でも、この本を読んで違った視点で犯人のことを考えると、その犯人自身がもっと早く支援や支えが必要だったのかもしれない、とも思います。

昨今話題の飲食店での迷惑動画。

真相はわからないけど、認知面に課題がある人に対して「お金あげるから、あの店で〇〇する動画をとってきて」と言われてやらされたんじゃないか、という人もいる。

本のエピソードでも紹介されているように、詐欺の受け子役をわからないままにやらされている人もいるかもしれない

「社会に出たけど、お金を稼ぐ力がない(居場所がない)」

「先のことを見通して判断することが難しい」

「うまくいかない経験が積み重なり、自分に自信がない」

こういった特性が利用され、犯罪に巻き込まれることがあるというのは悲しいことだなと思います。

もちろん犯罪は良くないけれど、犯人がどうして犯罪に至ったのか犯罪に至らないためにどんなことが必要なのか、考えなければいけないなと思いました。

特性があるから犯罪をするわけではなく
特性がどのように利用されて犯罪に至るのか
だからこそどういった支援が必要なのか
問題提起をしてくれる一冊です。

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