プットイン課題について考えよう

今日は、プットイン課題について考えていきたいと思います。

プットイン課題の目的

プットインとは?

put in =~の中に入れる(置く)

この意味の通り、ボールやコイン等を手で持って、穴の中に入れるような課題をプットイン課題と言います。

プットイン課題の大きな目的は、「目と手の協応運動を促す」ことだと思います。

では、目と手の協応とはどういうことでしょうか?

簡単に言うと「目で見たところに意図的に手を動かす」ということになります。
意図的に、というところが重要です!)

プットイン課題を細かく分析してみると、

①入れる物(ボールやコイン等)を見る

②入れる先(穴)を確認する

③入れる物を手に取る

④入れる先まで手を伸ばす

⑤入れるために手を離す

という流れになります。

で入れる物と入れる先を確認するで物をつかむ→目的の所まで手を伸ばす→離す”という、目と手の働きが必要になります。

プットイン課題が難しいときに見られる様子

続いて、プットイン課題が難しいときにどんな様子が見られるか考えていきたいと思います。

☆入れる先(穴)に入れようとしない(穴を見ていない)

これは、まだプットイン課題の意図(穴に入れる)というのがわかってない段階です。

入れる物(ボール等)を見つけた→これで遊ぼう

となってしまうパターンです。

上で述べたプットイン課題の流れで考えると、①→③(②がない)となり、”目に入ったものを手に取る”という段階であると考えられます。

まだ視野が狭く、自分から目の動きを広げていくことが難しい可能性があります。

この場合は、子どもの視線を誘導しながら(音や光等があると気付きやすいかも)、実際に大人が入れる先(穴)に入れて見せると良いと思います。

視線が動いて、自分も同じように入れようとするかもしれません。
見て楽しむこともあるかもしれません。
子どもの反応を見ながら少しずつやっていくと良いと思います😊

入れる先が遠い場合は、それが原因で入れる先が見つけられない可能性もあるので、置く場所や穴の位置を工夫してみるのも良いかもしれません。

☆入れようとはするがなかなか上手に入らない(入れるときに手元を見ていない)

これはプットイン課題の流れで考えると、③→④の途中で視線が離れてしまっていることが考えられます。

入れるということはわかっているけど、視線が途中で離れてしまい「なんとなくこの辺りのはず」という手の感覚だけで手探りで入れているような感じです。

こういった様子、実はよく見られることがあります。
プットイン課題に取り組む時、子どもの視線を見ながら確認してみてください☺

このような場合は、見続けたくなるような工夫”や、”1回離れてしまった視線を手元に戻す工夫”が必要になっていきます。
(具体的な工夫については後で述べます。)

教材に少し手を加えることで、”見る”ことにつながっていくので、”視線の動き”に注目しながら取り組んでいくと良いと思います。

☆しっかりと見ているのに入らない(手が入れる先まで動きにくい)

視線がしっかり確認できている場合は、③~⑤の手の操作自体に課題がある可能性があります。

肩、腕、手、指先に麻痺があったり、不器用さがあったりすると、入れることが難しいこともあります。

このような場合は、日常生活や他の課題場面での手の操作性を確認してみると良いと思います。

またプットイン課題では、入れる物と入れる先の大きさや形、素材を見直してみるとできる可能性もあります。

手の操作性に課題があるときは、プットイン課題だけでなく、多様な視点でその理由や操作性向上の方法を検討していくと良いと思います😊

プットイン課題の工夫

プットイン課題に取り組み始めた段階では、”見続ける”ことが難しいことがあります。
そのためには、”見る”ことを促すための工夫が必要になります。

↓↓例えば、音が出るように工夫した教材がこちらです。

これは、入れたら音が出るように、入れ物にベルを固定したプットイン課題です。
積み木を入れるたびに「リーン♪」と音が鳴るので、”入れたら音が出る”ということを楽しみに、見ることを促していきます
(作ってはいないですが、スイッチ教材を入れて好きな音楽が流れるのもいいなぁと思っています♪)

↓↓続いてこちらも、音が出るように工夫したプットイン課題です。

ホースに鈴をつけることで、音が鳴るようにしています。
入れたらケースを振ることで、さらに音が鳴り、音に惹かれて視線が戻ってくるようになった子もいました。

↑↑こちらは、ビー玉を転がすことで、”見る”ことを促しているプットイン課題です。

子どもは、動かないものよりも”動くもの”に引き付けられやすいです。

かごの中でビー玉を転がすことで、音やビー玉の動きに注目して”見る”ことにつながっていきました

↑↑これは、プットイン課題用の箱を工夫したものです。

箱を透明にすることで、中に入ったボールが見えるようになります。
「どうなるのかな?」そんな気持ちを引き出して、”見る”ことにつなげていきました

上記で紹介した以外にも、好きなキャラクターのイラストに変えることで”見る”ようになった子もいます。

また、入れる物や、入れる先の提示の仕方を変えてみることで、どこにあるのかを確認する(=見る)ことにつながることもあります。

目と手の協応を促すためには、”入ったから見る”からスタートです。”入ったから見る”→”入れるために見る”につながるよう、色々と工夫しながら取り組んでいくと良いと思います😊

プットイン課題の応用

プットイン課題の①~⑤の流れがスムーズになり、プットイン課題での”目と手の協応”が感じられるようになってきたら、少し発展させて、プットイン課題を応用的に使っていくと良いと思います。

〇手先の操作を促す

↑↑これらのプットイン課題は、手指の細かい動きを促すことが目的となっています。

左の写真のビー玉を入れるプットインは、入れる先が穴ではなく、×の切れ込みが入っただけとなっています。
そのため、手を離しただけでは入らず、ビー玉をギュッと押し入れる動きが必要になります。

右の写真のスポンジのプットインでは、穴がスポンジより小さくなっているので、スポンジをギュッギュッと押し込む動きが必要になってきます。

↑↑これは、ビーズとタピオカストローを利用したプットイン課題です。

ビーズも小さく、入れる先のストローの穴も小さいので、”つまむ”動作を促すことにつながっていきます。

このように、手の細かい操作を促す目的で、プットイン課題を使うこともできます

〇向きを考える

↑↑今度は、向きを考えるプットイン課題です。

写真左は、コインの向きを合わせて入れることが必要になってきます。
(写真のように選択肢がたくさんあると入れやすいところに入れてしまうので、入れるところは一つにして向きを変えて提示する方が良いと思います💦)

写真右では、ダボの向きを縦にすることが必要になります。

このように、”向き”について意識を向けたいときにも、プットイン課題を活用することができます

〇プットイン+の目的をいれる

最後は、プットインに+の目的をつけた課題の紹介です。

例えば左の写真、シールはがしのプットインでは、”シールをはがす”という目的が追加されます。
シールをはがす→プットイン、という二つの目的が含まれる課題になるので、より難易度が上がると考えられます。

右の写真では、”ひもからコードストッパーをはずす”という目的が加わります。
コードストッパーをはずす→プットインというように二つの目的が求められるプットイン課題になります。

まとめ

今日は、プットイン課題について考えてきました。

シンプルな課題ですが、応用的に活用することもできます。

改めてなんのためにプットイン課題に取り組むのか、考えるきっかけになればと思います😊

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